白紙が難しいのは、両立しない2つのことを同時にやらされるからです。自分が何を考えているかを見つけることと、それを整理することです。マインドマップはこの2つを切り離します。まず順序のない木としてすべてを書き出し、次に順序を決め、そこで初めて文書を開きます。
以下の方法は、記事1本でおよそ40分かかります。できあがるのは、構成のことで手を止めずに書き進められるアウトラインです。
なぜ白紙に負けるのか
書くことは、アイデアを出すことと、並べることの合わせ技です。出す作業は、ゆるく、連想的で、評価しないことを求めます。並べる作業は、厳密さを求めます。同じ工程で両方をやると、何についての文章なのかを決める前に、新しいアイデアのたびに置き場所を判断することになります。その結果、書き出しが4つできて、中身が1つもない状態になります。
マップは作業の順番を固定します。マインドマップでは、どのトピックも他のトピックの「前」にはありません。だから置き場所という問いに答えなくても、思いつきを追加できます。並べる作業は後で、並べるべき材料がそろったところで、一度だけ意識的に行います。
ステップ1: 中心に「約束」を書く
テーマではありません。約束を書きます。読んだあとに、読者が何をできるようになるか、何を決められるようになるかです。
- テーマ: 「CSVファイル」
- 約束: 「エクスポートが壊れた理由と直し方がわかる」
中心があると、あとの取捨選択が楽になります。約束の役に立たない枝は外します。基準がページの真ん中に書いてあるので、迷うことはありません。
ステップ2: 整理せずに出し切る
10分間、編集はしません。手元にあるものをすべて追加します。主張、例、反論、気に入った一文、リンクなどです。1トピックに1アイデアで、近そうな枝に入れます。置き場所を間違えても、ここでは何も失いません。トピックを別の親にドラッグするのは一瞬で、親の付け替えはマインドマップで最も手軽な操作です。
意識して書き出してほしいものが2つあります。多くの人が書き落とし、下書きの途中で気づくものだからです。
- 反論。 よく知っている読者なら返してくるはずの言葉です。たいていは1つの節になり、必ず文章を良くします。
- 具体例。 例がぶら下がっていない枝は、今のところただの主張です。
ステップ3: 本当の構造を見つける
次に、中身ではなく形を見ます。
太い枝は節になります。 子が6つある枝は、すでに存在している節です。子が1つしかない枝は、別の節の中の一文か、まだ考えていないことのどちらかです。どちらなのかを決めます。
繰り返し出てくるアイデアは、親が足りないしるしです。 「コスト」が3つの枝の下に出てくるなら、その文章にはコストの節があるはずで、まだ描いていないだけです。
どこに置いても残るものが、主張の核です。 一番上に引き上げます。
この工程では容赦なく削ってかまいません。消すのは文ではなくトピックだからです。書いていない枝を切るのに代償はありません。20分かけた段落を切るのは、勝てない戦いです。
ステップ4: 枝の順序を一度だけ決める
最上位の枝を読む順にドラッグして並べます。文章の種類に応じて使える定番の順序は次のとおりです。
- 問題 → 原因 → 対処 → 確認。 トラブルシューティング型の文章向けです。
- 答え → 理由 → 例外。 検索から来た読者に向けた文章向けです。最初の3行で答えを出し、そのあとで裏づけます。
- 主張 → 根拠 → 反論 → 応答。 議論向けです。
- 時系列。 順序そのものが主題である場合を除き、ほとんどの場合は誤りです。それは自分に起きた順であって、読者にとって重要な順ではありません。
そのあと、各枝の中の子を並べます。これが段落の順序になり、決めなければならない最後の構成上の判断になります。
ドラッグで親の付け替えと並べ替えをして、同じ木をインデント付きリストにしたアウトライン表示に切り替え、普段書いているツールへそのままMarkdownとして書き出せます。
できることステップ5: アウトラインを書き出して執筆する
マインドマップは木です。文書も木です。だからアウトラインを打ち直す必要はありません。マップをMarkdownやプレーンテキストのアウトラインとして書き出すと、枝は見出しになり、その下にメモが付いてきます。
この骨組みの中に、上から順に書いていきます。次に何が来るのかと迷ったら、考える段階は終わっています。答えは次の行にあります。
文章の種類に合わせた使い方
ブログ記事や記事。 上記のとおりです。最上位の枝は3〜5本を目安にします。7本を超えるなら、記事が2本分あります。
主張が決まっているエッセイ。 約束の代わりに主張を中心に置き、最上位の枝を各論点にします。根拠の子がない論点は、まだ言えない論点です。
講演。 同じマップを別の形で書き出します。1枝を1スライドにして、リハーサルではマップ自体を枝ごとに話します。リハーサルを生き残ったものが、スライドに入れるべき内容です。
本の章や長いレポート。 マップを2種類作ります。文書全体を章の単位で表すものと、章ごとのものです。2つの階層を1枚のマップに収めようとすると、どちらの縮尺でも読めないものになります。
定期的に書くもの。 完成したマップをテンプレートとして保存します。週次の投稿、リリースノート、状況報告は毎回同じ骨組みなので、毎週ゼロから考え直すのは無駄な手間です。
この方法ができないこと
良い文章は書けませんし、言うことのない文章を救うこともできません。構成が整っていても、中身がない記事は中身がないままです。それがわかるのは出し切る段階です。10分で薄いトピックが11個できて例が1つもないなら、下書きを始めずに、もっと調べに行くのが誠実です。
もう1つ、名前をつけておきたい失敗パターンがあります。マップの磨き込みです。枝の見た目を整えたりテーマを選んだりすると進んでいる気になりますが、進んでいません。マップは足場です。40分かけて書き出したら、手放してください。