リマインダーが効くのは、せいぜい9日ほどです。その後、通知は読む前にスワイプして消すものになり、守るはずだった習慣は静かに行われなくなります。何かが壊れたわけではありません。スマホにある他の通知と同じように、通知に慣れてしまっただけです。
解決策は、もっと意志を強くすることではありません。合図を通知から外して、次の3つの場所に移します。すでにある日課、いつも目にする場所、そして週1回の見直しです。どれも割り込んでこないので、消されることがありません。
リマインダーが効かなくなる理由
仕組みは2つあります。どちらもよく知られていて、効き目が落ちるのも早いです。
慣れ(馴化)。 新しい情報のない刺激が繰り返されると、反応は起きなくなります。毎日午後8時に鳴る通知は、定義上、スマホで最も情報量の少ない通知です。8時だということも、習慣のことも、すでに知っているからです。1〜2週間もすれば、注意はそれをノイズとして扱うようになります。
消す動作そのものが習慣になる。 バナーをスワイプして消すのは、小さくて完結した動作です。習慣を実行しなくても、通知の居心地の悪さは解消されます。習慣よりも楽で、先に起こり、繰り返すほど強まります。2週間もすると、「リマインダーを消す習慣」が見事に身についています。
見落としやすい3つ目のコストもあります。通知は、判断のタイミングをあなたではなくスマホの都合に任せます。たいてい何かをしている最中に届くので無視され、やがて習慣は中断してよいものだと覚え込まされます。作ろうとしているものと正反対です。
もっと静かなやり方
1. すでにやっていることに習慣をつなげる
時刻ではなく、終えた動作をきっかけにします。
朝のコーヒーを注いだら、日記を3行書く。
すでにある日課が、リマインダーの役目を果たします。スマホがなくても毎日起こり、消すこともできず、1日のなかですでに空いているところに習慣を置けます。
アンカー(きっかけにする動作)は、すでに自動化されていて、確実に毎日あるものを選びます。歯みがき、ノートPCを閉じる、お湯を沸かす、帰宅するなどです。思い出すことに頼るアンカーは避けます。「寝る前」はアンカーになりません。就寝時刻は、意識して気づく出来事ではないからです。
1つのアンカーに習慣は1つ。 コーヒーに3つ重ねると、朝のルーティンを丸ごと作ったことになり、失敗したときの代償がずっと大きくなります。
2. いつも見る場所で、状態を見えるようにする
2つ目の合図は、割り込まない環境の合図です。今すぐ注意を求めるのではなく、現在の状態を示して待っています。
- ホーム画面のウィジェット。 1日に何十回も目にします。済んだものと済んでいないものを示し、音は一切鳴らしません。リマインダーの代わりとして、最も価値が高い方法です。
- 紙の壁掛けカレンダー。 1日ごとに印をつけます。習慣が1〜2個なら、どんなアプリにも引けを取りません。
- アンカーの動線上に置く物。 枕の上の本、玄関のそばの靴、ケースから出したギター。ここでは、どんなソフトウェアより環境づくりのほうが効きます。
大切な違いはこれです。通知は今決めることを求めます。ウィジェットは今の状況を教えてくれて、次に見たときに決めさせてくれます。繰り返しに耐えられるのは、後者だけです。
3. 見直しは毎日ではなく週1回
毎日の自己評価も、燃え尽きる原因の1つです。週に1回、毎週同じ時間帯に5分だけ見返して、次の3つを自分に問います。
- 実際にできた習慣はどれか。
- 失敗したアンカーはどれか。原因はアンカーか、習慣か。
- 何をやめるか。
最後の問いが大事なのに、多くの人が飛ばします。5つの習慣をいい加減に記録するより、2つをきちんと記録するほうが優れています。それに気づけるのが週1回の見直しです。
いま使っているアプリでやること
別のトラッカーは要りません。いま使っているものの設定を変えるだけです。
- 習慣ごとのリマインダーをすべてオフにする。 大半ではなく、すべてです。
- 連続記録が途切れる警告をオフにする。 これが最悪です。損失を突きつける形で、しかも失敗した後に届くからです。
- ウィジェットを追加する。 フォルダの中ではなく、最初のホーム画面に置きます。
- 例外を1つだけ残してもよい。 未チェックの項目があるときだけ鳴る、1日の終わりのまとめ通知です。これは実際に情報を含んでいるので、毎日固定の通知のようには慣れが起きません。これもノイズになったら、オフにします。
- チェックインの手間をゼロにする。 記録が習慣より面倒なら、先に記録をやめ、その次に習慣をやめます。ウィジェットからワンタップ、または音声コマンドが基準です。
リマインダーはすべて任意です。この方法を支える機能(30日グリッド、連続記録、ワンタップでチェックインできる小さなウィジェット)は無料プランに入っています。完全オフラインで動作し、チェックインはいつでもCSVで書き出せます。
できること連続記録について正直に
連続記録は効果的なモチベーションですが、もろくもあります。よくある失敗はこうです。1日休んで数字が消え、習慣ごとやめてしまう。モチベーションを支えていたのは数字で、それが折れたのです。
役に立つ部分を残すには、2つの調整があります。
- 休息日を意図的に決める。 週4回の習慣なら、火曜日に連続記録は途切れません。もろさの大半は、もともと毎日ではない習慣を「毎日」と決めてしまうことから来ています。
- 連続日数ではなく、月で数える。 「30日中22日」なら木曜日を休んでも続きますが、「連続0日」は続きません。こちらのほうが正直な数字です。
終わりのない一覧ではなく30日の固定期間にする理由がここにあります。1か月は、習慣が根づくのに十分な長さで、実際に終えられる短さです。終えるということは、起こりうることです。終わりのないカウンターは、途切れることしかできません。
もう1つの静かな合図:自分のデータ
連続記録しか出せないトラッカーが教えてくれるのは、1つのことだけです。書き出せるトラッカーなら、実際に何が起きたかがわかります。どの曜日に抜けやすいか、習慣が消えるまでどれくらい続いたか、アンカーに問題があったのか。
アプリがCSVに書き出せるなら、四半期に1回5分の分析ができ、どんな通知より価値があります。トラッカーを決める前に確認すべき点でもあります。取り出せない習慣の履歴は、次にアプリを変えたときに失う履歴です。
それでも通知がほしいとき
ケースは2つあり、どちらも限られています。
時刻が決まっている習慣。 朝8時の服薬や、決まった時刻の電話などです。時刻そのものが条件なので、アンカーはありません。通知は残しましょう。
新しい習慣の最初の1週間。 アンカーがまだできていない時期です。14日目にノイズへと崩れるのを待つのではなく、7日目に自分の意思でオフにします。リマインダーは足場です。足場は外すためにあります。